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読了 人間の覚悟

仏暦2552年07月30日 木曜日

五木寛之 2008年11月20日 人間の覚悟 新潮社

 本書の記述は概ね二つに区分出来る。

 第1は、”諦念”と言うことと、それ故の中庸を得ることの勧めである。諦めるとは、明らかに究めるのであり、経済的向上とか若さを保つこと、いつも陽気であること、等は今や不可能であると”覚悟”しなければならない、そもそも人生とは常に不幸や気鬱を伴うものなのだ、とする。なお、中庸とは、何れの極端であれ必要に応じて取ることの出来る状態である。

 第2は、かような諦念と自在闊達を得るためには全く恵まれない悲惨な境遇を知る必要があると筆者は考えているのであろう、極めて悲惨な事例が随所に織り込まれる。筆者自身旧満州からの引揚者であり、大日本帝国に裏切られ、旧ソ連に追われる等の悲惨な体験をして来た。また、何度も鬱の経験をし、その度に筆記法によって自力救済を果たしている。

 文書量も少なく記述上目立たないながら論理的に重要な本書の前提は、世界が多くの要因によって構成されている事を明瞭に認めている事だ。ここから、自己の意志だけではどうにもならない自分自身の人生と言う概念が当然に導かれる。この認識は、多神なり全ての存在に霊を感じると言う日本人古来の精神世界を肯定することに至る。

 本書の全体は、原初仏教及び親鸞仏教によってかなり濃厚に彩られている。しかも、自己客観視による自己制御、それもある理念によって目標志向的に自己を操縦するのではなく、多要因の世界故に流されていく自分を肯定しつつも、内的世界の幸福を保つように制御していく、と言う制御の仕方を記している。

 本書はよって、社会的な公正性や、社会成員の全体が基礎的な充足は得られるようにするにはどうした良いのか、社会全体の効率を上げるにはどうするべきか、人類はそれなりに少しづつ進歩しているだろう等等の概念に対して無関心であり、冷淡ですらある。性的プロレタリアートだ、地獄の門だ、経済が絆が国が壊れていく、などなどと言い、それら破滅が天然自然の現象であるかのように記載している。それらの破滅に対して、そもそも国家が自分たちを幸せにしてくれるなどと期待するべくもないと言う対処の仕方のみを記す。

 だが、これらの現象は立派に原因があっての結果であると考えるべきだ。

「世界が多要因であると言う事は混乱であることも制御不可能であることも洞察の不可知をも意味しない」

のである。善意に解釈すれば、この老人はここで混乱と躓きに陥っている。悪意に解釈すれば、筆者は高度経済成長の波に乗ってその果実を味わい、いち早く果実が全て落ちた事を察知して諦念を説いて逃げに入っている。薄い報酬によって只管働かざるを得ない人間としては、社会的に極めて大きな影響力のある作家から諦念に至るべしとの説教を聞かされるのはかなりカチンと来る。騙されない読者は本書を受け入れないだろう。

 善意に解釈すれば、筆者が本書を出版した理由は今般の恐慌があらゆる人を等しく襲うからだと考えているからかも知れない。だが、そうではない事は1929年の恐慌の歴史が証明済みである。筆者の経験する1945年の満州においても、高級将校等は公共財を簒奪していち早く日本に遁走したではないか。ここに筆者の社会認識のあまりの温さを見て取るべきだろう。

 仏教が社会性に欠け勝ちである理由に関して言えば、本書も引用している中村元は、ブッダの教説は自給自足が容易でその辺に寝ころんでいても生きていけるインドの環境においてこそ成立したと述べている。世界の殆どはさまで幸せな環境にはない。どうしても人間同士の財の交換や相互支援がなければ生きていけず、であるからこそ社会制度や社会的公正や労働の価値の尊重や民主主義が重要となるのである。

 別の観点からすればこうだ。クルーザーからホテルまで毛氈をひいて上陸する貴婦人をイタリアで見たこと、その貴婦人を港湾の労働者たちは羨望するでもなく賑やかに論評し合っていた事を好意的に筆者は記す。だが、かような奢侈消費は不可能になったと言う事が、そもそも本書には表立って記されていない環境問題の激化と言う事であり、今般の恐慌と言う事な筈である。

 とは言え、日本についてはこれから”落ちていく”ばかりになる可能性はかなり高いと思われる。筆者は原因について思考放棄をしているのであるが、まさにその思考放棄こそが第二次世界大戦を含めて一貫して日本の問題の最大の原因であり、今般の恐慌もまた同じになるであろうから。


 心理学者の末席として興味深い本書の記述は、筆者が鬱状態に陥る度に日記(歓びノート、悲しみノート、あんがとノート)を記していた事である。Pennebakerの研究等に見られるように、筆記法はストレス状態に対して相当有効な対処技法である。

 作家ならではの興味深い記述もある。あらゆる登場人物の心理をあますところなく描くディッケンズ以来の小説の手法は神の目に立つが故に極めて危険なものであると見做されてきた、と言う。

 本書は、かような書物であるから、実はそう独自なものではない。「早坂暁 恐ろしい時代の幕開け 岩波ブックレット196号」も同様にこれから人類は長い下り坂を生きていく事になる、としているのだが、実にバブル経済期の1991年に出版されており、早坂の慧眼こそ讃えられるべきだろう。だが、例によって絶版になったようだ。何しろ出版のタイミングが悪すぎた。客観的には得意の絶頂にいる人々はあとは落ちていくしかないのが明らかなのだが、人間の認知機能はそのようには働かない。廣島はいち早くこのような時代を予感したからこそ早坂のこの書を購ったのであった。

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実は、いらない

仏暦2552年07月26日 日曜日

 三重県を走るローカル鉄道JR東海・名松線にて、列車暴走事件発生。きちんとブレーキをかけずに駐車した列車が数kmに亘り無人で暴走した由。

 しかも、この線では2006年にも同様に暴走事件が発生しています。完全に人的過誤。組織の根本に問題があると言わざるを得ません…!と力む程のことではどうやらないらしい。何しろ、かかる重大事件が2回も起きているのに何れも死傷者はおろか、物的損害すら出ていません。

 それも当然で、この線、そもそも2時間に1本しか運行がないんだそうな。当然単線なのですが、片道1時間かかるので、要するに1両しかない車両が只管往復しているだけ。終点まで暴走したところで、これと言う問題も起きないかも。とんでもない過疎ローカル線。

 と言う訳で、そもそも安全管理の徹底が必要どころか、この線そのものが実はいらない存在のようです。

          †

 福島県会津若松市では国道49号線と県道の交差点で、二本松市では国道4号線と県道・市道との交差点で、信号機が同時に青になるプログラムエラーにより、先般事故が発生した由。

 何たる事でありましょう。信号機の設置整備は警察の業務であります。これは組織の根本に問題があると言わざるを得ません…!と力む程のことではどうやらないらしい。何しろ、この信号機のプログラムエラー、30年も続いてきたと言うのです。それにも拘わらず、これまで30年間で気づかれる事がなかったどころか、今回の1件だけの事故でした。実は交通量が大したことない過疎田舎交差点。

 と言う訳で、そもそも安全管理の徹底が必要どころか、この信号機そのものが実はいらない存在だったようです。県道・市道だって必要なのかどうか疑ってかかってみるべきかも知れません。

          †

 以前から少々記しているように、廣島の地元・東京都昭島市は拝島駅の駅舎と南口駅前広場の大改良工事中。歩道なしの2車線道路を人間の渦がクルマに半分巻き込まれながら、クルマも人も廃墟同然の駅前商店街をだらだらのろのろ流れて行く惨状から、2年後にはおさらば出来そう…、

 と思ったらば例によって、絶対立ち退かないと言う諸君がちらほら。彼らは、今更のように「駅前の街作りを考える会」なんぞを結成しています。当然、工事はべたおくれになっています。

 一日数千人の乗降客もないような所ではありません。一日8万人以上の乗降客があります。1万人以上は西武線とJR線の乗り換え客のようですが、それでも一日7万人とかの乗降者となるでしょう。その大部分が南口を通過していきます。艱難辛苦を堪え忍びながら。駅舎と駅前広場の改良に立ち退かないと言っている諸君は、これらの人々の人生を少しづつ噛り取って行っています。

 では、この地主諸君はこれまで小粒でもきらりと光る駅前商店街でも展開して来たのでしょうか?とんでもない、その逆です。

 この地主諸君自身がそもそも、いらない存在だとしか言いようもなくなりつつ昨今かな。

          †

 もっと巨大な”いらない存在”が、流石に崩れようとしています。アメリカ合衆国です。

 国家も、地方政府も、企業も、個人すら、彼の国は赤字の塊です。あらゆるものが商品化されている現代において全てが赤字と言う事は、マトモには何も働いていない、と言うこと。崩れて当然でしょう。

 多分、彼の国もマトモに働いている人々は物凄くマトモに働いているのだろうと思います。だが、アメリカ全体が日本円にして数千兆円の借金を抱え込んでいますから、これは追い付きません。

「稼ぎに追い付く貧乏なし」

と言いますが、貧乏だとは思わないで浪費しまくっているのですから、そもそもこの諺が成立しないんでしょう。

          †

 彼の国は、今の日本にとって教訓に満ちています。

「一部分の人が必死で働いても、浪費と怠惰に走る部分がより大きければ、全体が成り立たなくなる」

と言う当たり前の結果がそこにあるからです。

 そう言えば、経済と政治の論客として知られる副島隆彦氏は昨今

「日本はアメリカに抱き付かれて一緒に沈没しかねない」

と頻りに主張しています。その要因が非常に大きいのはそのとおりなのですが、もう一つの”抱き付かれ沈没”があります。国内で見れば、日本の働く人たちは働かないで浪費ばかりしている人々に”抱き付かれ”て共に沈没させられつつあるようです。

「働かざる者、食うべからず」

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再読 美女とネズミと神々の島

仏暦2552年07月19日 日曜日

秋吉茂 美女とネズミと神々の島―かくれていた日本 河出書房 昭和34年7月10日

 22日に皆既日食がトカラ列島で見られるとて新聞に

「水等のインフラが乏しい悪石島にツァー以外で密かに上陸する人たちが少なくなく、島では水タンクの増設等でただでさえ対策に苦慮しているのに、更に問題化している」

と言う記事があり、本書を持っていた事を思い出し、ざっと見てみた。

 本書は河出文庫で読むことが出来るので、内容は誰でも読める。その内容は既に高度経済成長を走り始めていた大方の日本にとって異世界の興味深いものだったのだろう。帯紙に「秘境 悪石島の奇習と人情 朝日新聞記者の異色ルポ!」、帯紙の裏表紙側には「”任侠記者”で知られた筆者が朝日新聞「底辺に生きる」シリーズで全国読者の感動をよんだドキュメント」とある。

 内容が興味深いのは言うまでもない。今日の観点から興味深いのは、本書の造本や価格である。所謂ペーパーバックの作りながら、本書はビニールの表紙、その内側の帯紙、写真を掲載している高級紙が2枚挟み込まれている等、かなり品質の高い作りになっている。裏表紙には悪石島の海岸のカラー写真まで掲載されている。この本が作られてから本日は丁度50年と数日を経ているのだが、シミや破れ等はさしたるものではない。

 価格は320円とある。例によってWebをあちこち見れば、http://choko22.blog54.fc2.com/blog-entry-70.htmlと言う所に当時は葉書5円、新聞購読料390円、封切り映画館入場料150円、国鉄初乗り運賃10円、とある。これらは利権にあまり関わらない純然たる労働の成果が詰まった価格と言えるだろうから、丁度今日の10分の1と言うのが当時の価格だとしよう。つまり、本書は小さなペーパーバックながら実に現代においては3200円程度に相当する高価なものだったと言う事だ。

 知恵や知識、教養に対する敬意や尊重が低くなっている現代において、この価格は驚異的とすら言えるだろう。そのような本を思い切って出版してみよう、これは売れる筈だ、そして実際に本書は大いに売れたようであるがその成果に対する大きな満足…それらは今日消え去ってしまったのかも知れない。そんなものがこの古書からは漂ってくるのである。

 なお、廣島が本書を手に入れた経緯は全く失念してしまった。少なくとも10年以上前に購入したものである筈だが。吉祥寺の「ユマニテ書店」のタグが付いて、価格は1000円となっている。吉祥寺の町をぶらついて繁華街にあるこの古書店にでも入ったのだろうか。

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洗脳を破る連関図

仏暦2552年07月18日 土曜日

 昨今つくづく思うのは、世の中にはごまかしとインチキが多くある訳でして、マスコミによる洗脳なんてのもその一種でしょう。

「パソコンと言えばWindows」

と言うのも、間違いなく洗脳。昨今ではまたぞろ、朝日新聞がWindows7を持ち上げています。この企業(朝日新聞のことです)は、いつだってそうでした。

 およそ、他の世界を知らない・知らしめない。特定の存在のみが素晴らしい事を暗に陽に少しづつ反復して叩き込むのが洗脳。いい加減洗脳から目を覚まさないと、世の中全体の損失は膨れ上がる一方です。

          †

 Windows及びマイクロソフト製品の出来の悪さは、様々な領域の要因が相まって雪達磨式に膨れ上がっていくものです。加えて時々とんでもない情報漏洩による信頼感喪失事故が起こり、うっかりすると利用者は社会的に抹殺されてしまいます。社会的自殺機能つきのソフトウェアなぞ、滅多にあるものではありません。

 これらの相互作用は実に複雑であり、BTRONお得意の実身仮身モデルによってのみ何とか表現可能でしょう。(^.^) まぁそれでも何とか”因果関係の部品”を羅列すれば、こんな所でしょうか。同じ用語や似た概念同士を繋いでいくと、莫大な因果関係のネットワークが出来上がります…。なお、エンドユーザーとして利用する場合の解析分のみの因果関係を表現するためのものです。

○ 機能の多数搭載→セキュリティレベルの低さ
○ 機能の多数搭載→操作性不良
○ 機能の多数搭載→理解困難
○ 機能の多数搭載→動作緩慢
○ 理解困難→操作性不良
○ 理解困難→セキュリティ対処方策実施困難→セキュリティレベルの低さ
○ 操作性不良→事実上の動作緩慢
○ 操作性不良→操作性不良Webページ・ソフトへの慣れ
○ 操作性不良Webページ・ソフトへの慣れ→偽装Webページ等セキュリティ低下
○ 操作性不良→操作ミス多い→セキュリティレベルの低さ(事実上の)
○ 操作性不良→操作ミス多い→ユーザーデータ破損
○ 動作緩慢→操作ミス多い
○ 動作緩慢→ハードウェア資源増大
○ 動作緩慢・操作性不良→仕事が終わらない
○ 動作緩慢・操作性不良→パソコン使用での疲労・パソコンへの耽溺
○ 動作緩慢・操作性不良→新機能志向→機能の多数搭載
○ 動作緩慢・操作性不良→仕事が終わらない
○ 動作緩慢・操作性不良→インストールソフト増大
○ 仕事が終わらない→データ持ち出し→情報漏洩
○ 仕事が終わらない→パソコンへの耽溺
○ パソコンへの耽溺→Winny志向
○ パソコンへの耽溺→エロサイト等の愛好
○ エロサイト等の愛好→ネットワーク制限強化
○ ハードウェア資源増大→高価
○ ハードウェア資源増大→買い換え→ユーザーデータ喪失
○ 高価→複数パソコン保持不可能→保有パソコンのインストールソフト増大
○ 高価→Winny志向(一つにまとめたい…)
○ インストールソフト増大→ハードウェア資源増大
○ バージョンアップ→操作性不良
○ バージョンアップ→動作緩慢
○ バージョンアップ→高価
○ バージョンアップ→セキュリティレベルの低さ
○ セキュリティレベルの低さ→ウィルスソフトの強化
○ セキュリティレベルの低さ→ネットワーク制限
○ セキュリティレベルの低さ→頻繁なパッチ当て
○ セキュリティレベルの低さ→ネットワーク制限強化
○ ネットワーク制限強化→動作緩慢
○ ウィルスソフトの強化→動作緩慢
○ 新機能→Winny志向(ちょっとやってみようか…)
○ 新機能→セキュリティレベルの低さ
○ 頻繁なパッチ当て→動作緩慢
○ 頻繁なパッチ当て→ハードウェア資源増大(ネットワークの)
○ Winny志向→セキュリティレベルの低さ
○ Winny志向→ネットワーク制限強化
○ 情報漏洩→ネットワーク制限強化
○ 情報漏洩→ウィルスソフトの高機能化

…う〜む、いい加減読む方々は馬鹿馬鹿しくなって来たと思いますが、書く方はもっと馬鹿馬鹿しいのであります。(^_^;) まぁこういうのが安全管理で良く使われる連関図の基本であり、お暇な方はカードにそれぞれの○→×の関係を書き出して広い場所でネットワーク状に並べていくと、因果関係が見えてくるでしょう。少なくとも、

「Windowsにおいてはあらゆる要因が巡り巡って更に問題を悪化させる循環経路が多数ある」

ことだけを理解して頂ければ宜しいかと。リスクに対して正のフィードバックがかかっているとしか言いようがない。

          †

 分析から得られる利益として、

「どうしてWinnyが未だに”愛好”されているのか」

の仮説が見えてきます。


 エロ画像や不法ダウンロード音楽、ちょっとしたゲームは、なかなか進まないパソコンでの仕事を続けるための”タバコ”のようなものです。ちょっと気分を変え、酷使してきた脳みその部分を休ませてまた仕事をする。ニコチンは強烈なストレッサーとなり、心身の興奮水準を上げ、馬車馬のようになってやるしかない仕事を推進してくれます。

 どうしてWinnyやエロ画像等をいつも使うパソコンに入れたいのか、の理由も推測出来ます。タバコだから、いつもそこにあって欲しい。別のパソコンの前に座るとかパソコンを繋ぎ直すと言う”一仕事”はしたくない。まさにその”仕事”から逃れるためにタバコに手を出した筈なんですから。事務室等とは別の所に喫煙所を設置するのが当たり前と言う今の世の中を作るだけでどれだけの努力が払われたか、を思うべきです。

          †

 そう言えば、新聞の戸別配達と言うのは、善し悪しでありまして、洗脳と言う観点からすれば間違いなく新聞を洗脳装置に仕立て上げる道具になっています。何しろ、それなりの公立図書館やネットを使わない限り、読者は当該新聞の情報で埋め尽くされてしまうからです。

          †

 ”マイクロソフト洗脳”を世に広めた企業の一つであるソフトバンク。昨今コマーシャル等で一貫して”白色”をテーマカラーとして使っているのは、このような企業が何をやって来たのかの歴史を知っている者からすれば、大層嗤えるものです。そう言えば、つい数年前のこの会社のテーマカラーは、

「道端を勝手に占領している赤」

でした。(爆笑)この連中があちこちの繁華な通りに数名単位で勝手に出店を出し、ADSLを売り込みまくり、随分トラブルが続出したものです。大体、あの時のこの会社の連中、道路占有許可を取っていたんですかね?

 そのソフトバンク、先般二日に亘って我が家にADSL勧誘の電話をかけてきてくれました。何れの回もかみさんが出たのですが、

「今、ADSLの勧誘をしております。パソコンやインターネットについて決定されている方はご主人様でしょうか?」

と言う訳の分からない聞き方をして来ました。当然かみさんは廣島に電話を回します。するとそこでも、

「今、ADSLの勧誘をしております。パソコンやインターネットについて決定されている方はご主人様でしょうか?」

と聞いてくるのです。かみさんが”決定していない”と思ったからこそ”ご主人様”に電話を回した…と言う文脈が分かっていないんでしょうか?インターネット電話を使っているらしく、音質が悪い。若い男性の声も何やら無機質で、ロボットがやっていてもおかしくない…ような気分。

 大体、この電話、一貫してソフトバンクの名前を名乗りません。これって、消費者保護関連法規違反すれすれではないでしょうか?だが、今ADSLの勧誘をわざわざする企業と言えば、これはソフトバンクしかあり得ない。NTTもKDDIも光通信ばかり売り込んできます。銅線をわざわざ使うのは、大規模災害の場合等でも電話が使える、枯れた技術を使っているのでトラブルが少なく電話が通じる、と言うメリットを求めればこそです。ADSLはかねてから廣島が主張していたように、半端な技術になりました。

 でまぁ、廣島の所は本体Webを見ていただければ分かるように、つなぐネットコミュニケーション社のVDSLサービスを使っております。当然廣島は、

「VDSL使っていますからいりません。」

と一回目は言いました。それでこの男はあっさり引き下がりました。

 だが、どうやらそれは納得したからではなく、単にこの男がVDSLと言う”高級概念”(嗤)を知らなかったのでびびっただけのようです。その翌日、仕事の疲れでほとんど気絶状態で昼寝をしていた廣島を、彼はまたも襲ったのであります。当然今度は、VDSLを持ち出しても引き下がりません。

「…の地域を担当させて頂いております。月2000円代でADSLが使えますので…」

「もっと安くVDSL使ってます」
※つなぐネット社のWebを見て頂ければ分かるように、ホームページの容量やらメールアドレスをしこたまつけての値段なので、単につなぐだけ、それも技術的に何度もチョンボをやっている会社に比べると十分にお得です。

「あ、そうなんですか?」

と言う所で廣島は勝手にNTT銅線経路コネクション型通信回線を切ったのであります。昼寝の途中でしたから。(^.^)

 大体、廣島が巣くうこの地域はNTTの基地局のどこからも半端に遠いものだから、ADSLが懐かしのISDNと同じような速度にしかならないんであります。競合他社の価格とかそういう事を下調べをして来いよな〜。だが、

「分からんちんの素人さんが引っかかれば、それはそれだ。」

と思っているから、どうでも良いのでしょう。これもごまかしいんちき仕事の一種。だが、知識が不足でわからんちんだったのはこの男の方だったようです。(嗤)

 閑話休題。”赤揃え隊”が活躍していた時は、いつの間にかADSLに入らされた、それを解約しようとしたらばあれこれゴネられたと言うトラブルが多発したものです。そういう歴史を知っている身からすれば、この会社の携帯電話を使う方々の勇気には賛嘆の他はないのでありあます。で、赤揃え隊のほとぼりが冷めたと見計らって、また同じようなことをし始めたものと見えます。

 と言う訳で、一つの歴史の記録及び諸賢の人生が詰まらぬ事で煩わされぬように、ご報告迄。

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再読了 かくてドルは紙くずとなる

仏暦2552年07月13日 月曜日

Harry E. Figgie,Jr.,1992,Bankruptcy 1995,Little Brown and Co. Publishers.
フィギー・Jr,H.,1994,かくてドルは紙クズとなる−アメリカ経済破産の構造,クレスト社(東京)
平成6年7月30日
★ アメリカ国債発行残高が1995年には6兆ドルを越えて、利払いすらままならない状態になる事に強く警告を発したもの。原著は’92年初秋に出た。
  ところで、今、’95年も暮れようとしている。その残高はいくらなのか、些か詳らかではない。だが、少なくとも、大統領と議会の対立によって予算案が成立せず、アメリカ政府は”停止”を続けている。

          †

 …と言う読書メモを1995年末に記したものである。

 本書の警告としての意義は全く明瞭であるし、その部分での価値は現在でも全く落ちていない。むしろ、本書のような警告が当時どのように理解されていたのか、特に日本ではどう見られていたのか、こそが問題だろう。

 本書はアメリカ国債の制御不能な増大と言う”アメリカそのものの病気”を扱っているのだが、であるならば本書の主張には2つの点で致命的な問題がある。

 第1は、対策案としての支出を切り詰めに示されているものの適切さが疑わしいものが多々ある。例えば、フィギーは税金の間違った使い方としてスチュワーデスの鼻の高さの測定と言う事を上げているが、これは緊急用酸素マスクのサイズを決定するための人体計測の仕事だった筈。あるスペックを公共財とするか、私物とするべきかは、かなりの熟慮を要する事である。例えば、パーソナルコンピューティングの世界において私物のOSを主流にしたために、世界中がパソコンの低性能とセキュリティの問題に悶え苦しんでいる…Windowsの生み出す果てしない損失の山を言っているのだ。他方、余りにも肥大したアメリカ軍への支出に対する筆者の筆致は、余りにも甘すぎると言われても仕方がないだろう。

 第2の問題として、現在の目からすれば明かなのだが、アメリカ合衆国国債の破滅的増大と言うのはアメリカの”総赤字”問題の一部に過ぎなかった。それが全く触れられていない。企業も家計も貿易収支も全てアメリカは赤字であり、機軸通貨であることを奇貨として果てしなく$を印刷することによってこれらの赤字は賄われ続けた。2009年06月現在、更に破綻の道を驀進している。政府だけではなく、アメリカ人全てが生産よりも消耗(※消費と言う名の労働力の再生産ですらない)を多く行っていたのである。それを様々なごまかしの方法で何とか生き長らえさせて来たに過ぎない。今、大統領のオバマは勤労を国民に訴え出しているが、時既に遅し。

 本書の警告はある意味適切に処置されたようで、その後のアメリカはITバブルと住宅バブル及びこれらに伴う金融技術と言う名前のリスクのごまかし(※全債券の相関性が登場した場合に一気に崩れ去る、つまり経済要素の相互独立・定常状態においてしか成立しない債券リスク管理と言う意味でのごまかし)によって生き長らえてきた。だが、これは人々の働きの価値を高め、国土の生産力を高めると言う本質的な国力の回復ではなかった。それは、本書の2つの致命的な問題と裏腹である。

 結果として、本書の価値はかなり歴史的なものになるだろう。だが、政府の財務部門が行う様々なごまかしがかなり良く記されているのも確かであり、この部分こそが今後民族と国家とひいては自分自身を生き長らえさせたいと思う人々にとって教訓に満ちている。

イントロダクション―今こそ最後のチャンス
 ○ ドイツ・ワイマール共和国の教訓
 ○ グレース委員会への参加
 ○ 調査チームの結成
 ○ ごまかしだらけの大統領演説
序章 1995年、悪夢の1週間―かくして、巨大国家は亡びる
 ● 国家破産によって破壊される個人生活を、小説スタイルで描写
第1章 衆愚政治こそ、国家破産の元凶―新大統領に突き付けられた難題とは何か
 ○ アメリカンドリームは終わった
 ○ ジョンソン大統領―財政破綻の生みの親
 ○ 安易な減税策に溺れたフォード
 ○ 赤字を7倍にした民主党・カーター大統領
 ○ レーガン―あまりにも高くついたソ連崩壊の代償
 ○ 今や、世界最大の債務国に
 ○ 新政権に突き付けられた課題
第2章 大国幻想が生んだ浪費システム―なぜ、赤字体質は放置されつづけるか
 ○ 失敗だらけの財政政策
 ○ 葬り去られたグレース委員会報告書
 ○ 恐るべき浪費の数々
 ○ かくして財政再建法案は骨抜きにされた
 ○ 湾岸戦争の費用が予算外支出になった真相
 ○ なぜ、アメリカの経済予測値は信用できないか
 ○ すでに崩壊している公的年金制度
 ○ 有名無実になった予算案
 ○ ばらまき福祉からの脱却こそ急務
第3章 ホッケー・スティック曲線の恐怖―累積債務は、ある日突然、爆発する
 ○ ホッケー・スティック曲線
 ○ 雪だるま式に増える国家債務
 ○ すでに破局は始まっている
 ○ すでになくなった選択の自由
 ○ 東欧諸国と変わらないアメリカの現状
第4章 大恐慌か、超インフレか―悪夢のシナリオ、この危険信号に注意せよ
 シナリオ1―恐慌による破滅
  ○ 国債利回りが値上げされる
  ○ 長期化する景気後退
  ○ 企業倒産、失業の急増
  ○ 破産宣告
  ○ 大恐慌の始まり
 シナリオ2―超インフレによる破滅
  ○ 債務の貨幣化がインフレを惹き起こす
  ○ インフレはインフレを招く
  ○ あらゆる信用取引の停止
  ○ この警告サインを見逃すな
第5章 アメリカ経済学の罪と罰―エコノミストたちは、いかに国民を騙してきたか
 ● エコノミストたちの赤字肯定説を一問一答形式で論破する
第6章 そのとき、世界はどう動くか―超大国の崩壊が、世界経済に与える影響
 ○ 増税はアングラマネーを増やすだけ
 ○ タックスフレーションの危険
 ○ 金利上昇で住宅・自動車産業が壊滅
 ○ 世界中で通貨不足が深刻に
 ○ そして、投機だけが盛んになる
第7章 歴史の教訓から学ぶべき真実―ローマ帝国もスペイン帝国も、やはり財政赤字で亡びた
 ○ ローマ帝国の教訓
 ○ ドイツ人の心の傷とは
 ○ デフレのあとに超インフレが来る
 ○ 巨額債務がブラジルの未来を奪った
 ○ アメリカより深刻なイタリア経済
 ○ 英国を再浮上させたサッチャーの力量
第8章 起死回生への道―政府及び国民は、今、何を決意すべきか
 ○ 財政危機への宣戦布告
 ○ 強権発動の必要性
 ○ 財政十字軍を結成せよ
 ○ 軍事費の削減もやむなし
 ○ 官僚組織の合理化・民営化が必要
 ○ 社会保障の存続は、もはや不可能
 ○ 議会の裏切りに気をつけろ
終章 現実を直視する勇気はあるか
 ○ タイムリミットは迫っている
 ○ 政治への無関心が国を滅ぼす
 ○ 何もしないことこそ最大の悲劇

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楽しい・働かない人生

仏暦2552年07月09日 木曜日

 東京都議会議員選挙間近。

 なのに、我が家には投票用紙が届かない。何だか遅いな〜と思っていたらば、新聞のローカル版に出ていました。昭島市の選挙管理委員会が投票用紙印刷を委託している企業が、旧データを間違って印刷に出し、修整中との由。

 え?と思います。

 旧データと言う事は、この企業、ほとんど随意契約でずっと受託し続けていると言う事でしょうか?

 旧データをずっと持っていた、と言う事は、莫大な個人情報をずっと持っていたと言う事。たかが印刷関連の企業がそんな事をする必要は全くない筈。どこかに個人情報を流していた、と言う可能性だってあります。

 印刷に出した、と言う風に記事は読めました。この企業は印刷機能を持っていないで、単に中間マージンを取るだけの業者?

 加えて繰り返していて慣れている筈の仕事で重大なミスをする…。無能です。

 つまりこの企業、昭島市のどこぞのお偉いさんと癒着して市民のお金をささやかながらピンハネし続けている可能性があるように見えます。

          †

 7月7日、和歌山県で大雨。電気工事業〓さんは田んぼの様子を見に行って水に流され、死亡との由。

 え?と思います。

 電気工事業と言いながら、田んぼを持っていると言うこと。農業って、そんなに安直にやれる仕事なんでしょうか?

 そんな田舎で電気工事業…それが成立するための市場がそんな田舎にあるのでしょうか?あるとしたらば、村役場あたりからの官需では?で、その官需と言うのは実は主として都市住民が正に苦しみ悶えながら生産した成果を補助金だの交付金だのと言う形で強制的に流されたものなのです。

 勿論、そもそも安直にやれている田んぼも、補助金の塊であるのは良く知られたことです。

 加えて、大雨になったらばあそこらへんは危ない、と言う地元のカンさえなかったとは。

 ご本人は全然そんな積もりはなかったでしょうが、他人のお金で安楽な人生を送った〓さんに、合掌〜。

         †

 仕事の過労に加えて、相変わらず我が子の教育やらでの疲労蓄積。例によって、どかんと副鼻腔と咽頭が”爆発”してしまいました。例によって、最も信頼する耳鼻咽喉科医に通院。

 その、通院の田舎電車、幾群れもの学生たちがおしゃべりに興じています。その中の女子高校生たちの一人が就職採用試験だか資格試験だかを受けたのでしょう、曰く。

「…東京都の形はどうなってる、って問題が出たんだけど。分からないよね〜。習ったことないし。」

え?と思います。

学校で習ったことがないことは世の中にたんまりあります。学校、わけても昨今の中身が薄まる一方の小中高校での授業で学ぶべきなのは、「どうやって勉強するのかの方法」だけだ、と言っても良いでしょう。

 つまり、色々なことは自分で勉強しなければいけない、と言うこと。地図帳は彼女にも手渡されたハズです。地図帳くらい、一度見ておけよな〜。

 と言う程度のことさえやらない彼女がどのような仕事(※主婦、と言う仕事も含みます)に就くにせよ、事実上何もやれない人になるのは間違いありますまい。やるべきことをやらずに、その時間で彼女はどんな楽しい時を過ごしたんでしょうかね。

         †

 今の日本では皆さん、働かない、はたまた働いたフリをしてのごまかしをして、お金はがっつり手にするオイシイ人生を送ろうとしています。廣島の周囲にもそういう人たちはゴマンといるものです。マトモに働くとはどういうことか、をそもそも忘れたようにも見えます。

 でも実は人生の本当の妙味と言うのは、マトモに働いてこそだと随分の年になった廣島は思うのですが。

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読了 グリーン革命

仏暦2552年07月04日 土曜日

Thomas L. Freedman,2008,Hot.flat and crowded - Why we need a green revolution and how it can nenew America.
邦訳:伏見威蕃、グリーン革命(上下)―温暖化、フラット化、人口過密化する世界、日本経済新聞社

 アメリカオバマ政権が”エコ・バブル”を起こそうとしていると言う指摘は、何も廣島のものではない。オバマ政権の登場に合わせるかのように出版された本書及び筆者の類書は、当然最初からデマゴーグの類の可能性を考えるべきであり、一読したところ実際そのとおりであると判断される。

 本書は分厚いものの趣旨は簡単だ。エネルギー節約的で知的な社会を作る事でアメリカは再び世界から尊敬され、世界をリードし、経済的にも充実した国になれる、と言うものである。アメリカはその理念である自由と民主主義を世界に広めなければならないしそれが世界の利益にもなる、と同時平行で主張する。

 だが、この希望的未来は現実には全く間違っている。アメリカは国債”だけ”で7兆$もの発行残高があり、これは更に急増している。これに、年金、医療保険、地方債、政府保証債等を加えたらば、アメリカ政府全体の負債だけで一体幾らになるのか、正確なところを示した識者はいない。凄まじい額になる、と言うだけの事は明らかである。そして、民間部門の更に天を摩するばかりに積み上げられた負債!これまた本当の所幾らになるのか判然としない。

 総じて、アメリカ合衆国は官民共に破綻状態にあるのだ。ただ、アメリカ$が機軸通貨である、と言うだけで辛うじて命脈が保たれている。この状態で”エコ”な社会にアメリカを作り替えるためのカネを誰が出してくれるのか。

 所謂、エコな社会が持続可能性がより多いと言うのは概ね事実であろう。だが、エコなアメリカ社会が今よりも生産的であると言う保証があるのか?そもそもアメリカ人は実に働かない人々であるのは、GMの労働者を見れば十分だろう。サブプライム住宅を買い込んでさっさと破綻した貧困層を見ても同様だ。彼らは自分の給料でどうしてそのような価値あるものが買えると信じられるのだろうか?

 本書は分厚いものの、エコ社会のアメリカがどのような形になるのかのイメージの記述が案外に乏しい。例えば日本の場合には余りにも劣悪な住宅環境と都市計画ではあっても、基本的にコンパクトだ。そのような”貧乏”な国にならざるを得ない、と言う事が明記されていない。

 ちなみに、そのような都市国家を本気で作る場合、これまで作ってきたアメリカの住宅の大部分は役に立たない事も附記しておこう。これは…アメリカから世界を襲った”住宅バブル”のクラッシュが更に激しくなる、と言う事ではないか。

 本書が”記していない”事は他にもある。あたかもブッシュ大統領時代にだけアメリカは攻撃的で侵略的であったかの如く記しているが、実際にはベトナム戦争、パナマ侵攻等々、アメリカが直接行った軍事行動は実に多い。大量消費社会についても、それ第二次世界大戦を過ぎた頃から始まっていた事である。現在のアメリカの”悪徳”はかなり根源的なものである。

 自由と民主主義を筆者は頻りに強調するのだが、それが財における公平とか平等を多分に含まなければいけない事は明らかである。だが、極めて貧富の格差が大きい国であるのもまたアメリカであり、悪い見本をたっぷりを世界に例示していると言うべきだろう。なお、この貧富の格差も大きくなり始めたのは随分前からでもある。

 細かい点を論えば、筆者はイスラエルをさりげなく擁護・肯定している点も問題である。この国が犯した行為は、既にアウシュビッツ並みだと多くの人々から認識されている。それが分かっていないのは、イスラエル人と日本人、そしてアメリカ人だけだ。

 同様に細かい点であるが、アメリカ国債を中国が最も強力に買い支えているように読み取れる記述も愉快ではない。それは、少なくとも本書が発刊された時点ではまだ日本だったのだ。

 以上のように、本書はかなり悪質としか言い様がないデマゴーグに満ちている。本書は、オバマ政権が推進するエコバブル、つまり

「アメリカはエコになって産業も社会も復活します、だから投資をぼんばん寄越しなさ〜い!」

と言って、世界中のおめでたい人々(※中でもおめでたいのは日本人である)からカネを掻き集め、やがて

「お〜、予測できない危機が発生しま〜した〜。お金、返せませ〜ん!」

と手を広げ、裏で舌を出す壮大なごまかし、を支援するために書かれたとしか言いようがない。

 まさにそのようなバブル崩壊、つまり「お〜、お金返せませ〜ん!」と言う事が丁度1年前に引き起こされたばかりではないか。その借金のカタに、例えばアメリカ人は、下品な話ではあるが娘たちを差し出したり、はたまた自分たちの領土を差し出したりしただろうか? 全く否!!!

 と言う訳で、本書が世の中に尤もらしい顔をして普及する事を速やかに防止するために、この記事はかなり荒っぽく作成された。最後に一言


「働かざる者、食うべからず」

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