仏暦2552年05月13日 水曜日
福岡県にて、有力暴力団の組長逮捕。この組長と配下の2名が逮捕された経緯と言うのが、実に次のような事だとか。
ゲームセンターにクジで商品があたるゲーム機がありますが、この組長、某ゲームセンターの従業員に申し出てこの機械に入っていた180本のクジを全部買い占めたそうな。ところが欲しかったブランドバッグが当たる1等の籖がその中に一本もない! ふざけるな、俺は何々組の誰某だがどうオトシマエを付けるんだ…と恐喝しあっさり逮捕、との由。
事件そのものはある意味馬鹿げた犯罪に過ぎませんが、考えてみれば現代資本主義の”隠された・ないことになっている”非常に大きな二つの問題があらわになったとも言えます。
第1は、
「その商品やサービス、更には店を信用して良いのか?」
と言うこと。ブランドバッグとなれば幾ら小さくても100円×180本=18000円では景品としては提供できません。多分このゲーム機は何度か籖を入れ換えて、その中で1回だけバッグが当たるようになっているんでしょう…と言うことを本当にやっているんでしょうか?180枚の籖を全部ひっくり返す事で、この隠された、問い掛けてはいけない疑問があらわになってしまいました。
第2は、実は彼の行動はある意味合理的であり、むしろ合理的であるような顔をしている資本側に珍妙な所があることがバレてしまった事。これは、更に二つの側面に分かれます。
第一に、そこにある籖を全部買い占めれば1等が中に入っていると期待するのは、完全に合理的です。そうではなかったのは、ある意味詐欺なのか?第1の問題で論じたように、店が誠実に当籖確率を一定に保っていると信じて良いのでしょうか?そもそも信じるとかをするべきではない、つまりゲームセンターは”本気”の場ではないのだ、と言う暗黙のお約束が何時の間にか人々を縛っていたように見えます。
第二に、
「どうしてもそのブランドバッグが気に入った!」
のだから幾らお金を払っても良い、と言う行動は現代資本主義において歓迎されるべきもの。果てしなく”高級”とか”エコ”だとか称して、本来のコストに乗せた多少の利潤よりもはるかに大きく法外とさえ言える利潤を得ようとするのが現代資本の論理。かの暴力団組長はその論理にすんなり乗った行動をしてくれただけです。実に”正しい”行動でしたし、当籖籖がなかったのを怒ると言う所までは至当な行動とすら言えます。ところが、この行動が実に珍妙な犯罪へと彼を導くことになりました。
うっかりするとその社会の規範に反するひっかき回し行動をすることで、結果として思いがけない良いことを齎す存在は世界の神話や伝説の中で
「トリックスター」
として知られています。今回、かの組長は社会の奥底にあって当然の原理として人々を無意識の内に縛っている原理を、少なくとも廣島に対してはあらわにするトリックスターの仕事をしてくれました。
人間、何か思いがけない良いことをする事もあるもんだ、と申しておきましょう。
仏暦2552年05月14日 木曜日
福岡県にて、有力暴力団の組長逮捕。この組長と配下の2名が逮捕された経緯と言うのが、実に次のような事だとか。
ゲームセンターにクジで商品があたるゲーム機がありますが、この組長、某ゲームセンターの従業員に申し出てこの機械に入っていた180本のクジを全部買い占めたそうな。ところが欲しかったブランドバッグが当たる1等の籖がその中に一本もない! ふざけるな、俺は何々組の誰某だがどうオトシマエを付けるんだ…と恐喝しあっさり逮捕、との由。
事件そのものはある意味馬鹿げた犯罪に過ぎませんが、考えてみれば現代資本主義の”隠された・ないことになっている”非常に大きな二つの問題があらわになったとも言えます。
第1は、
「その商品やサービス、更には店を信用して良いのか?」
と言うこと。ブランドバッグとなれば幾ら小さくても100円×180本=18000円では景品としては提供できません。多分このゲーム機は何度か籖を入れ換えて、その中で1回だけバッグが当たるようになっているんでしょう…と言うことを本当にやっているんでしょうか?180枚の籖を全部ひっくり返す事で、この隠された、問い掛けてはいけない疑問があらわになってしまいました。
第2は、実は彼の行動はある意味合理的であり、むしろ合理的であるような顔をしている資本側に珍妙な所があることがバレてしまった事。これは、更に二つの側面に分かれます。
第一に、そこにある籖を全部買い占めれば1等が中に入っていると期待するのは、完全に合理的です。そうではなかったのは、ある意味詐欺なのか?第1の問題で論じたように、店が誠実に当籖確率を一定に保っていると信じて良いのでしょうか?そもそも信じるとかをするべきではない、つまりゲームセンターは”本気”の場ではないのだ、と言う暗黙のお約束が何時の間にか人々を縛っていたように見えます。
第二に、
「どうしてもそのブランドバッグが気に入った!」
のだから幾らお金を払っても良い、と言う行動は現代資本主義において歓迎されるべきもの。果てしなく”高級”とか”エコ”だとか称して、本来のコストに乗せた多少の利潤よりもはるかに大きく法外とさえ言える利潤を得ようとするのが現代資本の論理。かの暴力団組長はその論理にすんなり乗った行動をしてくれただけです。実に”正しい”行動でしたし、当籖籖がなかったのを怒ると言う所までは至当な行動とすら言えます。ところが、この行動が実に珍妙な犯罪へと彼を導くことになりました。
うっかりするとその社会の規範に反するひっかき回し行動をすることで、結果として思いがけない良いことを齎す存在は世界の神話や伝説の中で
「トリックスター」
として知られています。今回、かの組長は社会の奥底にあって当然の原理として人々を無意識の内に縛っている原理を、少なくとも廣島に対してはあらわにするトリックスターの仕事をしてくれました。
人間、何か思いがけない良いことをする事もあるもんだ、と申しておきましょう。
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